「市場価値」という言葉に、少し疲れていませんか。
僕がはじめてこの言葉を強く意識したのは、
夜中に転職サイトを眺めていたときでした。
求人票の横に並ぶ年収レンジ。
求められるスキルの一覧。
「歓迎」という文字の裏にある、暗黙の基準。
画面を閉じたあと、なぜか少しだけ自分が小さくなった気がしました。
ああ、自分は“いくらくらい”なんだろう。
そんな考えが、頭から離れなかった。
転職を考え始めると、この言葉が急に目につくようになります。
市場価値を高める。市場価値を証明する。市場価値が低いと危ない。
気づけば、自分に値段がついているみたいで、なんとなく落ち着かなくなる。
でも、少なくとも僕は、
市場価値という言葉に、そこまで振り回されなくていいと思っています。
市場価値=年収、ではない
よくあるのが、「市場価値=年収」という考え方です。
もちろん、年収はひとつの目安にはなります。
でもそれは、その時点の、その会社での評価にすぎません。
IT業界は変化が早いからこそ、評価されるスキルも、求められる役割も、少しずつ変わっていきます。
だから市場価値は、固定された能力というより、いまどこで、どう活かされるかに近いものかもしれません。
市場価値は、あなたそのものじゃない
もうひとつ、忘れたくないことがあります。
市場価値は、あなたそのものの価値ではない、ということ。
- いまの会社では発揮できていない強み
- 環境が変われば伸びる可能性
- 数字に表れない、仕事の丁寧さ
こういうものは、なかなか言葉にしづらいし、市場価値という枠では測れないことも多い。
だから、高いとか低いとかで、自分を決めつけなくていい。
それでも、知っておくと少し楽になる
じゃあ市場価値なんて気にしなくていいのか、というと、そうでもない。
知ることと、振り回されることは、ちがいます。
- 今の立ち位置はどのあたりか
- どんな選択肢がありそうか
- もし環境を変えるとしたら、どんな可能性があるか
それを一度だけ確認してみると、頭の中の不安が、少しだけ整理されます。
転職を決めなくていい。急いで動かなくていい。
ただ、いまの場所を知っておく。
それだけで、夜のざわつきは、少しやわらぎます。
市場価値は、答えではない。
でも、材料にはなる。
焦らなくていい。競わなくていい。
行動の少し手前で、いまの自分を確かめる。
それくらいの距離感で、ちょうどいいのかもしれません。



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